インフルエンザ治療薬の違いとは

投稿日:2017.07.13

インフルエンザ治療のカプセル剤 インフルエンザの治療薬には5種類あり、種類によって用法などに違いがあります。

オセルタミビルリン酸塩はA型・B型両方のインフルエンザの増殖を防ぐ効果があります。
カプセル剤ですが、小児には散剤で処方されます。
1日2回、5日間服用します。
症状が出てから48時間以内に服用するのが効果的です。

副作用は動悸、血圧低下、じんましん、血便、腹痛など。
一時期、服用直後の異常行動が問題になりましたが、因果関係ははっきりしていません。
インフルエンザそのものが異常行動の原因となることもあるので、治療開始後の2日間は、なるべく患者を1人にしないように配慮することが重要です。

ザナミビル水和物もA型・B型両方のインフルエンザに効果があり、専用の吸入器で1日2回、5日間吸入します。
ウイルスは気道で増殖するので、粉薬を直接気道に届けて増殖を抑えます。

早く吸入するほど効果も高いので、初めの1回は出来るだけ早く、出来れば処方されたその場で吸入するのが良いでしょう。
副作用は、下痢、発疹、吐き気、動悸、呼吸困難など。

ラニナミビルオクタン酸エステル水和物はA型・B型両方のインフルエンザに効果があり、ザナミビル水和物と同様に吸入して使用します。
吸入は1回だけで良く、10歳以上は容器2つ分、10歳未満は容器1つ分を吸入します。
使えるのは1度のみなので、なるべく医師や看護師の指導を受けながら使用すると良いでしょう。
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の副作用としては、下痢、悪心、胃腸炎、じんましんなどがあります。

ペラミビルはA型・B型両方のインフルエンザに効果がある点滴注射薬です。
点滴なので、カプセルや吸入薬での投薬が難しい患者にも投与することができます。
オセルタミビルリン酸塩と同様に、症状が出てから48時間以内に投与します。

ペラミビルは基本的に1回だけ、300mgを15分以上かけて投与します。
症状が重い場合は1日1回600mgを何日かに分けて投与することもあります。
副作用は、下痢、おう吐、白血球減少、たんぱく尿など。

アマンタジン塩酸塩はA型インフルエンザに対してのみ効果がある錠剤で、ウイルスが粒子を構成できなくする働きがあります。
1日に400~1200mgを何回かに分けて経口で服用します。
副作用はショック症状、心不全、肝機能障害など。

現在ではアマンタジン塩酸塩に耐性のあるウイルスが出始めているため、インフルエンザの治療薬として使われることはほとんどなく、主にパーキンソン病の治療薬として用いられます。

国内で新たに認可されたアビガンとは

アビガン(ファブピラビル)とは、日本で開発され、2014年3月に国内での製造販売が承認されたインフルエンザ治療薬です。

これまでのインフルエンザ治療薬は、ウイルスを細胞内に閉じ込めることで増殖を抑制し、重症化を抑えるという仕組みでしたが、アビガンはこれらとは違い、ウイルス感染した細胞に入り込み、ウイルスの遺伝子複製を阻害することで増殖を阻止するという仕組みになっています。
そのため、インフルエンザウイルスの種類によらず、また病状が進んだ状態でも効果が期待できます。

また、インフルエンザウイルスだけでなく、エボラ出血熱や黄熱ウイルスなどのRNAウイルスや、ノロウイルスや口蹄疫にも効果があるとされ、特にエボラ出血熱の治療薬としては唯一大量生産が可能な薬として世界中から注目されています。
ただ、動物実験では胎児に奇形が生じる可能性が指摘されており、日本国内での製造販売は、新型または再興型インフルエンザウイルスが蔓延し、他のインフルエンザ治療薬が効かないか効果が薄い場合にのみ認められています。
基本的に日本国内でのみ入手可能な薬ですが、一般向けには販売できず、日本国内だからといって簡単に入手することもできないという状況です。

用法は、成人に1日目は1600mg(1錠200mgとして8錠)を1日2回、2日目~5日目は1回600mg(3錠)を1日2回服用します。
小児への投与データはなく、すすめられていません。
胎児に奇形が生じる可能性があるため、妊娠中の人やその可能性がある人は絶対に服用してはいけません。

また、肝機能障害患者は服用すると血漿中濃度が上昇し、薬の効果が出過ぎてしまうことがあり、痛風患者や高尿酸血症のある患者は血中尿酸値が上昇し、症状が悪化するおそれがあります。